スキップしてメイン コンテンツに移動

2019年度第1回研究会へのおさそい

アジア民衆史研究会 2019年度第1回研究会を、以下の要領で行います。ぜひご参加ください。

アジア民衆史研究会 2019年度第1回大会

日時

2019年6月8日(土)  13時開始

会場

*事前のお申し込みは必要ありません。
*当日はレジュメ代として500円をいただきます。

報告

宮本司(明治大学)「竹内好の「翻訳」論について――『中国文学』誌上における「翻訳」論争の検討を中心として」

本報告では、「大東亜戦争と吾等の決意」(1942 年)、『魯迅』(1944 年)、「近代の超克」(1959 年)、「アジア主義の展望」(1963 年)などで知られる中国文学者、竹内好(1910-1977年)の「翻訳」論につき検討を加える。具体的には、『中国文学』誌上にて、1941 年に展 開された吉川幸次郎(1904-1980年)との「翻訳」にまつわる論争を考察対象とし、その論争がたどった道筋や論点を、当時の状況に即しつつ時系列的に整理する。また、従来あ まり顧みられなかった個々の「訳文」をも含めた具体的な事象の検証から、竹内好の「翻訳」論の全体像の帰納を試みる。そして最後に、その「翻訳」論と彼の戦後の諸言説や「中国」観との間にある関係性についても論じようと思う。

宮崎智武(明治大学)「創氏改名の政策構想とその「挫折」」

本報告は、1940 年に植民地朝鮮で行われ朝鮮人に多大な苦痛を与えた創氏改名政策の政策構想を再検討し、そこで浮かび上がった政策構想は、朝鮮人を届出に向かわせていく中で「挫折」させられていたのではないかとするものである。
従来80%という高い届出結果を得たことは、総督府権力の強大さを示すものであり、総督府にとっては「成功」と評価されてきた。しかし予算文書や議会への説明文書を検討していくと、そもそもそのような多い届出を求めることが狙いであったのではなく、むしろ非体制協力的な者の届出は抑制し、朝鮮人を分断しようとしていた政策であったことが浮かび上がってくる。そしてこの構想は、初期には朝鮮人の不届、末期には逆に届出を行う朝鮮民衆によって「挫折」させられていったのである。

李豊海(朝鮮大学校)「在日朝鮮人労働組合の「大同団結」の課題と中央組織化――在日朝鮮人労働総同盟の創立までを中心に」

本報告の課題は、1920年代に入り都市部を中心として各地方に結成された在日朝鮮人の労働組合が、1925年の在日本朝鮮労働総同盟の創立により中央組織化されるまで掲げていた、「大同団結」という課題の中身を検討し、在日朝鮮人労働組合の中央組織化という動きの歴史的意味について考察することにある。
日本の朝鮮支配によって形成された在日朝鮮人は、労働現場や生活空間において民族差別という暴力にさらされるなか、民族独自に労働組合を結成させていったが、その組合を統一し中央組織化するところの意味は、単なる就労条件の改善を目指す団体ではなく、民族団体として団結することにあったと考える。それゆえ、闘争対象となる搾取者は同じであっても、民族団体の性格をめぐって協力や対立を孕みながら在日本朝鮮労働総同盟が創立されたのであり、今回はそのせめぎ合いの過程について報告したい。

総会について

当日11時半より、同会場にて、アジア民衆史研究会規約第5条に基づく総会を開催します。総会では会員のみなさまに、決算・予算および活動方針などについてのご議論・ご承認をいただく予定です。

お問い合わせ

アジア民衆史研究会事務局
popular.history.in.asia@gmail.com

コメント

このブログの人気の投稿

2025年度総会のご案内・第1回研究会(7/12)へのおさそい

7月12日(土)、アジア民衆史研究会2025年度総会および第1回研究会を開催いたします。 今回も会場・オンラインのハイブリットでの開催です。 ご参集のほど、よろしくお願いします。 概要 日にち:2025年7月12日(土) 時間:11:00~11:30 総会、13:00~17:10 研究会 場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館  5階 508教室、およびオンライン開催(Zoomを使用します) 主催:アジア民衆史研究会 総会次第 2024年度活動報告および2025年度活動計画 2024年度会計決算および2025年度会計予算 第1回研究会 報告者(タイトルは仮) 金澤佳音「加茂一揆後期段階における一揆勢の行動論理 ──足助打ちこわしにみる──」 天保期に甲州騒動と並んで幕藩領主に大きな衝撃を与えた三河加茂一揆は、「鴨の騒立」にみられる、一揆勢による「世直し神」の自称や役人をも恐れぬ口利きが注目され、一揆の伝統の崩壊を象徴するものとして捉えられてきた。しかし、一揆の作法や暴力の位置づけをめぐる研究が進展してきた近年の百姓一揆研究の動向をふまえて加茂一揆を見つめなおすと、打ちこわしという実力行使の段階においても作法を遵守し、明確な打ちこわし基準をもつ一揆勢の姿を発見することができる。こうした点から、19世紀の民衆運動の性質を展望するうえで、加茂一揆には再検討の余地が存在する。 本報告では、三河加茂一揆を、頭取辰蔵による村役人との交渉を主目標とした前期、足助打ちこわしを主目標として人数が膨れ上がった後期に分け、特に後期における一揆勢の行動論理について考察する。その際、拳母藩兵からの逃走後も一揆勢が集結し、二度目の足助打ちこわしにはじまって打ちこわしを継続していくことに注目する。そして、一揆勢・打ちこわし対象となる人々・領主権力の3つの視点から、段階的にその規模を拡大していく加茂一揆の性格についての再検討を試みる。 樋浦豪彦「日露戦争前後における「農村青年」論の諸相」 日露戦後において国家主導で進められた地方改良運動は、疲弊する農村の再建を目指す運動であった。この運動の徹底的な推進のために戊申詔書が渙発された。このことは国家による今まで抱合されていなかった厖大な農村の青年を掌握するための働きかけであった。以上の点はこれまで、政治、経済、教育など様々な分野から明らかに...

論集『アジア民衆史研究』総目次:27集(2022)から31集(2025)まで

論集のご購入は、 お問い合わせ をご参照ください。 『アジア民衆史研究』27集 中嶋久人・深谷克己「序文」 2021年度第1回研究会 合評:趙景達『近代朝鮮の政治文化と民衆運動』 藤谷浩悦「民衆史研究の可能性をめぐって ──書評:趙景達『近代朝鮮の政治文化と民衆運動 ──日本との比較』」 大月英雄「儒教的政治文化から見た朝鮮と日本 ──趙景達『近代朝鮮の政治文化と民衆運動』に寄せて──」 藤田貴士「民衆運動史研究における方法的転回 ──趙景達『近代朝鮮の政治文化と民衆運動 ──日本との比較』に寄せて──」 趙景達「政治文化からみた民衆運動 ──拙著『近代朝鮮の政治文化と民衆運動』書評に因んで──」 討論要旨 2021年度第2回研究会 自由論題報告 内津マリノ「清代台湾の地方社会 ──植民地研究の前提として──」 古川梨子「昭和初期における『婦人画報』の読者像 ──「大衆化」から「高級雑誌」への変遷を通じて──」 特集企画 新型コロナウイルス感染症パンデミックの現在 ──それぞれの人々の経験と認識から考える②── 金憲柱「コロナ前後韓国社会の変化」(小河寛和訳) サクシ・シリー「新型コロナウィルスと留学期の経験」 書誌情報 2022年7月31日発行 A5版/118ページ/日本語・ハングル目次 ISSN 1881-5618 『アジア民衆史研究』28集(増刊号) 青木然・藤田貴士「はじめに」 第1部 視座としての民主主義 児玉憲治「近世日本に民主主義はあるか?」 三村昌司「日本における明治維新期研究は民主主義をどうとらえたか」 洪東賢「解放以後の東学農民戦争に関する認識変化と遺失された記憶」 金憲柱「「暴徒」と「良民」のはざまで ―1907年の自衛団の設置と地域社会関係網―」 藤田貴士「近代日本における民衆世界と知識人 ―賀川豊彦の民衆観を事例として―」 張愿牙「1920~1930年代性産業従事者女性の従属的現実と対応」 第2部 問い直される民主主義 上地聡子「「在外同胞」と「民族自決」から考える民主主義の範囲と主体 ―敗戦直後の沖縄を例に―」 韓奉錫「韓国民主主義とアメリカの対韓援助 ―民主主義、自助(self-help)、人道主義救護―」 中嶋久人「地域における民...

第93回民衆思想研究会のご案内

お知らせをいただきましたので、転載します。 第93回の民衆思想研究会は、久々の対面開催を行います。また初の試みとして、オンライン併用で開催いたします。 皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。 第93回民衆思想研究会 [フライヤーPDF] 日にち:2022年8月27日(土) 時間: 10:00~11:30 巡見(平和の大塔・霊光館など) 13:00~16:00 研究報告 場所: 成田山書道美術館(成田山公園内、京成電鉄またはJR線「成田駅」から徒歩25分) 報告者: 石井七海氏(一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程)「上総道学における「天地」観について─『養斎先生仁説問答講義』を中心に─」(仮) 清水詩織氏(早稲田大学教育・総合科学学術院非常勤講師)「岩槻藩房総分領における「異国船」と「開国」」(仮) 菅根幸裕氏(千葉経済大学)「近世六十六部廻国聖の総合的分析─安房国高梨吉左衛門日記を中心に─」 参加費: 会場参加→700円(書道美術館入館料を含む) オンライン参加→無料 申込方法: 下記の参加申込フォームより、お申込み下さい。 https://forms.gle/L3cuEHk6BjuttfKt6 ※申込後、自動返信メールが届きます。なお、当日の詳しいご案内は、8月23日(火)ごろにお送りします。 ※申込時に、会場参加かオンライン参加をお選び下さい。ただし、新型コロナウイルスの感染状況拡大により、完全オンライン開催に切り替わる可能性がございます。その際はお申込み頂いたメールアドレスに、対面開催中止のご連絡を差し上げます。 申込締切:8月21日(日)23:59 みなさまにお会いできることを、楽しみにしております。 第93回民衆思想研究会事務局 minshushisou93@gmail.com