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早稲田大学文学学術院シンポジウムのご案内

早稲田大学文学研究科の日本近現代史ゼミより、企画のご案内がありましたので、ここに掲載いたします。

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早稲田大学文学学術院公開シンポジウム
歴史学にもっと論争を!  ――安丸良夫『文明化の経験』をめぐって――
日時:614日(土) 13:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 36号館682教室  http://www.waseda.jp/jp/campus/to_up.html 報告:安丸良夫氏、深谷克己氏、大日方純夫氏
司会:金井隆典氏、檜皮瑞樹氏
主催:早稲田大学文学学術院日本近現代史ゼミ・近世史ゼミ・政治学研究科梅森直之ゼミ
ビラ:http://www.waseda.jp/bun-jlc/yasumaru/yasumaru3b.jpg
サイト:http://d.hatena.ne.jp/ummr/20080517

【趣旨文】
本企画の趣旨

 昨年発行された安丸良夫氏の著作、『文明化の経験――近代転換期の日本』(岩波書店・2007)は、氏が80年代に発表した論稿を中心としているが、新たに書き下ろされた序論と現代の問題状況を考察した補論を加えることで、既出の論文に新たな意味を付与し、現在の地点からの「近代転換期の日本」の再解釈と総体的な理解を試みた積極的な問題提起の書となっている。

 周知のように、1990年前後を画期として、歴史学の方法に対するさまざまな懐疑的見解が提出されている。歴史学の言説の政治性や権力性が繰り返し指摘されるとともに、〈対象とする時代の全体像を描き出す〉というこれまで歴史研究者が目標と定めてきた行為そのものについても、その原理的な不可能性や叙述の受け手に対する抑圧的側面が強調されてきた。歴史研究を取り巻くこのような状況が、若手研究者たちの間に「方向感覚の喪失」とも言うべき気分を醸成し、研究の個別分散化や浮遊化を助長しているという指摘もある[1]

 安丸氏も、こうした歴史学批判の動向やそれらの主張が拠り所とする諸思潮を積極的に吸収しており、それは、近代歴史学を近代世界の自己意識として規定していることによっても示されている[2]。しかし、こうした理解に立ちながら――そして、自身の内面に暗い虚無感を潜ませながら[3]――も、あくまで歴史学のディシプリンを堅持し、大胆な歴史像の提示を行っているところに安丸氏の立場が現れている。その意味で『文明…