7月28日(日)、アジア民衆史研究会2024年度総会および第1回研究会を開催いたします。
今回も会場・オンラインのハイブリットでの開催です。
ご参集のほど、よろしくお願いします。
概要
日にち:2024年7月28日(日)
時間:11:00~12:00 総会、13:00~17:10 研究会
場所:早稲田大学早稲田キャンパス22号館 5階 508教室、およびオンライン開催(Zoomを使用します)
主催:アジア民衆史研究会
総会次第
- 2023年度活動報告および2024年度活動計画
- 2023年度会計決算および2024年度会計予算
第1回研究会
報告者(タイトルは仮)
柳下草太「1910年代初頭における部落問題をめぐる政策と運動の相克──大和同志会の設立背景に着目して」
本報告は1910年代初頭において、府県レベルで実施された部落問題政策とその対象地域における部落解放運動がどのような関係を有していたのかを検討するものである。近代部落史研究は、当該期の部落解放運動について、被差別部落の低位性を改善することで差別からの解放を目指した自主的な部落改善運動が、内務省が主導する上からの部落問題政策に取り込まれていくといった歴史像を提示してきた。しかし、実際の運動がどのように政府主導の運動に再編されていくのか、政策実施以前からの運動と実施後の運動にはどのような差異が存在したのかといった具体的な運動と政策の関係については十分に明らかにされてこなかった。
そのため、本報告では政策実施以前から部落名望家層による自主的な改善運動が盛んであった奈良県を事例に、政策が運動の再編を図る過程とその帰結を明らかにする。そのうえで、政策をめぐる内務省と運動の相反が大正初年に登場した部落解放運動団体である大和同志会の設立を促した点を指摘する。また、全体を通じて、先行研究において使用されてきた自主的部落改善運動や融和運動といった当該期の部落解放運動を示す用語・概念の問題点について検討し、新たな分析枠組みを模索する。
相良海香子「明治・大正期の香椎宮」
旧官幣大社・香椎宮(福岡県福岡市東区香椎)は、古代には神功皇后や応神天皇を祀る「霊廟」として朝廷と強く結びつき、中世・近世には九州の武家や民衆から信仰を得るなど、国家や地域社会において重要な位置を占めていたことが明らかにされている。一方で近代の香椎宮に関しては、明治18 年(1885)に社格制度の頂点である官幣大社に列格され、皇室との結びつきが再構築されたにも関わらず、神祇行政に即した沿革が整理されるにとどまり、いまだその実態については不明な点が多く残されている。
以上をふまえて本報告では、近代香椎宮をめぐる諸動向をはじめ、国家や地域社会における位置づけを解明することを目指す。なかでも、明治・大正期に複数回行われた皇族の香椎宮行啓・御成に着目しながら、福岡地域と近代天皇制の結節点である香椎宮が、当該期にいかなる機能を果たしていたかを検討したい。
村田遼平「ジェンダーの視点から考える清末の移動する人びと」
清代の中国大陸における活発な人口移動については、これまで移住民や流民という観点の下で研究が蓄積されてきた。概括すれば、18 世紀までは移住民、19 世紀以降は流民が、それぞれ注目されたといえる。後者の流民史研究においては、 「難民」や「流民」 、 「飢民」 、「災民」などと史料に現れる流亡する人びとの数が19 世紀に増大したと指摘され、あてどなく動き回る流民は、農村社会の崩壊、反乱の温床、そして社会の混沌を象徴するものとみなされてきた。しかしながら、移動する人びとの内実に関する詳細な検討は、必ずしも十分になされていない。加えて、 難民や流民は男性のみで構成されていたわけではないという点にも注意が必要である。
そこで本報告では、19 世紀から 20 世紀初頭の清朝末期を対象時期とし、 長江中流域の流通の拠点であった湖北省を対象地域として、 編纂史料および行政文書、新聞を主に利用して、 ジェンダーに留意しつつ移動する人びとのあり様を検討したい。 具体的には、移動する人びとに関する語句の出現傾向、「難民」の集団などに関する分析を行う予定である。
タイムスケジュール
- 13:00 開会挨拶、注意事項の説明
- 13:15 柳下草太報告
- 14:35 相良海香子報告
- 15:55 村田遼平報告
申込方法
申込にはGoogleフォームを使用します。参加を希望される方は、下記URLをクリックし、Googleフォームにメールアドレス等をご登録ください。
総会への申し込み
総会は、会員のみご参加いただけます。
研究会への申し込み
どなたでもご参加いただけます。
https://forms.gle/8JBLPyh3KkAHgNwm8
2024年7月27日17時までに招待メールをお送りいたします。
注意事項
- 皆様の参加形態の事前把握のため、会場参加であっても事前申し込みをお願いします。申込は前々日 7月26日(金)までにお済ませください。なお、会場参加で申し込まれた場合でも、当日にオンライン参加に変更することは可能です。。
- 報告者の研究成果を剽窃するなど、研究倫理に反する行為を行わないことを求めます。
- ホストが認めた者以外の録音・録画は禁止します。
- 会の運営に支障をきたすと判断した場合、ホストの権限で強制退出させる場合があります。
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